健康サポート通信

健康サポート通信とは、
IMSグループ内で「健康サポート薬局」の認定を得た3店舗による健康、医療、お薬に関する様々な情報を発信するサポート通信です。皆さまに健康で安全な生活を送って頂けるように健康サポート情報を提供させて頂いております。
※健康サポート薬局とは
厚生労働大臣が定める一定の基準をクリアし、都道府県知事に届出を行った薬局だけが「健康サポート薬局」として表示することができます。
因島市薬剤師センター薬局
2023年7月18日2022年3月26日2021年10月12日

因島市薬剤師センター薬局

医師が教える「SNS情報」の正しい見方

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SNSで医療情報を収集する5つのポイント

①専門家の発信というだけで情報をうのみにしない

②出典のない発信は「個人の意見」と心得る

③複数の情報から「最大公約数」を探す

④検索ワードはなるべく「重ねない」

⑤病気は俗称ではなく「正式な名称」で検索

外科医“けいゆう”としてネット上で医療情報の発信を行い、ブログ累計1000万PV超、Twitterフォロワ-9万人超を数える山本健人医師がインターネットで医療情報を収集する際のポイントについて5つ挙げられています。

①、②について
今の時代は、ブログやSNS、You Tubeなどさまざまなツールを使うことで誰もが簡単に情報発信できるようになっています。その中で、発信側の問題として、発信する時の留意点がきちんと整理されていないと思われる時があります。
医学を含め、科学的な情報発信する時は、科学的な根拠を出典として明示するのが大原則です。この原則は発信するツールによらず、科学論文であろうと、書籍やSNSであろうと変わらないはずです。ところがSNSでは、この原則があまり意識されていないまま、人の健康に関する重要な情報が「カジュアル」に発信されることも少なくありません。
“情報の出典に注目すること”は、根拠とされている論文を明示したり、学会や公的機関が出しているガイドラインを参照しているかどうかということです。
Twitterという字数の限られたプラットフォームなどであっても、このルールを意識している発信者は連続ツイートしてでも必ず出典に触れています。
実際には、きちんと出典を明示していない限り、どれほど権威や知名度の高い発信者であっても、それは単に「個人の意見」を述べているだけです。無論、出典を明示していても、その発信が正しいという証明にはなりません。しかし、第三者が発信の妥当性を検証できるようになります。それが出典を記すことの意義です。

③について
信頼できる発信者を見つけたと思っても、その人だけの意見に頼らないこと。山本健人医師は、「最大公約数」を探すという言い方をしていますが、SNSなら複数の専門家をフォローして、発信の共通点や相違点を探すというアプローチが重要です。
というのも、一人の意見に頼ろうとすると、結局は自分の考えを肯定してくれるような人を探し始めるからです。要するに「結論ありき」で情報収集してしまうわけです。

④について
ネット検索については、ここ2~3年でGoogleのアルゴリズムがかなり改善され、医療機関でもあからさまに怪しい情報が上位に表示されることが少なくなりました。
ハズレ情報を掴まない検索テクニックとしては、検索ワード「or.jp」をプラスすると、公的な非営利サイトの情報のみが表示されるので、より安全な検索結果を得ることができます。
また、検索ワードはなるべく「重ねない」のもポイントです。例えば、「病名○薬○おすすめ」(○:空白)といった具合に、3つ・4つと検索ワードを重ねるほど、こうしたキーワードを狙い打ちした科学的根拠に乏しいサイトに引っかかりやすくなるからです。

⑤について
正式な病名で検索するほうが安全です。診察などで医師に正式な病名を聞いておき、覚えにくい時はメモに書いてもらうのもひとつの手です。正式な病名で検索するほど、学会や公的機関などが発信できる信頼のおける情報に出会える確率が高まります。

(2021.12.11 News Picks 〔解説〕医師が教える「SNS情報」の正しい見方より引用)

因島市薬剤師センター薬局

接種証明で制限緩和の仕組み、分科会提言

~ワクチンパスポートは必須になるか~

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 日本のワクチン接種率は、9月末時点で、アメリカを抜き、ヨーロッパに追いつくところまで進む。高齢者の9割以上は打っているので、死亡率は、第4波までは感染者の1.8%位だったが、第5波の時には、0.2%とインフルエンザウイルスの死亡率の0.1%近くまでぐんと下がってきた。

 したがって、“ワクチンを2回打った人はまずかかりにくい、かかっても重症化もなりにくい”となると、今まで全部抑制して人流を止めろとなっていたが、全ての経済活動・全ての人の流れを抑える段階では無くなってきている。世界も変わってきていて、海外でやっている話は、日本でも導入するという流れになってくる。

ワクチン接種を証明するいわゆるワクチンパスポート。感染抑制・経済活動正常化に向けてどこまで浸透するか。

Q:ワクチンパスポートとは

A:新型コロナウイルスなどのワクチン接種証明書のこと。日本では海外渡航用に接種証明書があり、7月26日から各市町村(特別区を含む)が交付申請を受けている。現在(9月の段階)は書面で交付しファイザーやモデルナのワクチンでは2回の接種を終えていることが条件になる。今後は、デジタル化でスマホでもOKという形になる。

Q:どうすれば入手できる

A:職域接種などの場合でも、接種に利用した接種券を交付した各市町村に申請することになる。申請に必要な書類は基本的に①自治体が用意する申請書②有効なパスポート③接種券のうち「予診のみ」部分④接種済証または接種記録書-の4点。

Q:海外に行くために必要なのか

A:日本のワクチンパスポートがあると入国時の新型コロナの検査や隔離に関する優遇処置を受けられる場合がある。9月1日時点ではドイツ、フランス、トルコ、香港など約30の国と地域で、防疫措置の免除や緩和を受けられる。

Q:日本に入国する際も必要なのか

A:8月下旬時点で日本に入国する際には使えない。接種証明書の有無や国籍にかかわらず、出国から72時間前までのPCR検査や抗原定量検査結果の提出、検疫所が確保する宿泊施設での待機などをしなければならない。

Q:海外でワクチンパスポートはどのように使われているのか

A:フランスではワクチン接種証明証や陰性証明証などを「衛生パス」と認め、レストランや映画館などに入る際、成人の一般客は提示しなくてはならない。米国ではニューヨーク州のワクチンパスポートなどの提示を、レストランや映画館、博物館などで基本的に義務付けるようになった。

Q:日本でも飲食店、劇場などで提示が求められるようになるのか

A:ホテルや飲食店、ツアー会社などで、接種記録書などを活用する動きがすでに出てきている。例えば、飲食店ではドリンク1杯を無料にしたり、ホテルでは宿泊料を15%引きにしたりといったサービスが見られる。

 新型コロナワクチン感染症対策分科会は9月3日、ワクチン接種歴やPCR検査などの結果を基に他者に二次感染させるリスクが低いと示すことで行動制限を緩める仕組みを11月ごろから始める一案を示した。分科会の尾身茂会長は「一人ひとりがどのような日常生活を望むのか、考えていく時期を迎えている」と話した。

Q:差別につながるとの意見もある

A:2021年2月、日本弁護士連合会は、政府によるワクチン接種の推進が差別につながる可能性を懸念する報告書を出した。ワクチンパスポートの保有者が優遇されるようになると、非接種者が生活しづらい環境になるという懸念があるためだ。

 今後、新しい変異株が出て、もう1回波が来て感染者が上がる可能性はあるが、それでもデルタ株で分かったと思うが、ワクチン接種をしっかり行えば感染者は増えても死者数は増えないので、現在のwithコロナで対応できる。

(2021.9.13 日経ビジネスP20、第264回高橋洋一チャンネル「ワクチン接種証明を活用すべき!分科会もようやく言い始めた 引用)

なかの薬局
2023年9月11日2023年9月11日2022年8月27日2022年6月7日 2022年3月26日2019年3月27日2018年12月12日2018年11月13日2018年10月23日

肥満を防ぎながら、栄養をとるコツ

「早食い」「夜食」は太りやすい 「孤食」を避け、たんぱく質をとる

仕事がたまってくると、食事に時間をかけられず、とりあえずコンビニでおにぎりを買う、丼ものですばやくランチを済ませる、

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という人も増えるでしょう。しかし「早食い」は要注意です。日本栄養士会会長の中村丁次氏はどのように食べるかという行動栄養学の研究をしてきましたが「早食い」と肥満には深い関係をあることを見つけられました。

 1、 1食に20分かける

食事をすると体が熱くなります。これらは栄養素を吸収する際にDIT(食事誘発性熱産生)が起きているからです。つまり、人は食事をするときにエネルギーを燃やしています。DITは、呼吸などの安静状態の基礎代謝、運動などで体を動かす活動代謝と並ぶ代謝の働きの一つで、全代謝のうち約10%を占めます。DITが高いと代謝が活発になり、脂肪がつきにくくなります。DITにスイッチが入るのは、食べ始めてからですが、そこから胃や小腸などの消化管に栄養素が入り、2時間かけてエネルギーが消費されます。

満腹中枢を刺激する、レプチンというホルモンも、食事を始めて20~30分後くらいに分泌されます。早食いをして満腹感がないと、間食をしたくなってしまうのです。DITが低い人は太りやすいことが分かっています。

2、 夜遅い食事は避ける

夜遅い食事や朝食抜きの場合もDITが低くなります。学生を対象に実験をした結果、3回の食事が「昼・夜・夜食」型の学生は、「朝・昼・夜」型の学生に比べ、DITが低くなっていました。

ビジネスマンの宴会や接待は夜になりがちですが、体のことを考えるとランチパーティーや朝食会もお勧めです。

3、 孤食をしない

コンビニで買ったおにぎりを自分の机で食べるのは手軽で便利です。しかしコンビニはもともと売っている食材の品種が少なく、さらに嫌いなものは買わないので、コンビニ食が続くと、結果は栄養素が偏ってしまいます。

好きなものを選んで食べるビュッフェの実験では、1人のときより、友人と食べるときのほうが栄養のバランスがよくなるという結果が出ました。友人の皿は野菜が多いなど、お互いが意識し合うモニタリング効果が期待できます。さらに会話が弾み、食事時間が長くなります。

4、 朝に卵1個、昼と夜にそれぞれ魚か肉のおかず、さらに牛乳200ccと豆腐3分の1丁が目安

何を食べるかをアドバイスするなら、もちろん野菜もたんぱく質も、適度な糖質、と言いたいのですが、中高年以降は筋肉維持のためにも、上記の量を参考に、たんぱく質摂取を心がけて欲しいと思います。

日本人は、米に合う和洋中の料理を取り入れた雑食の文化で、健康長寿を実現してきました。学校給食をはじめ栄養情報に触れる機会も多く、野菜や魚を食べる重要性を知っています。その成果もあり、男性の肥満や動脈硬化、糖尿病も境界の人などハイリスク者が減り始めています。あなたの生涯の健康に重要な栄養の知識を生かした食事をしてください。

(11/19日経ビジネスより抜粋)

(アドバイザー:中村丁次氏)

不要な薬・治療を求めない

「風邪に抗生物質」効果なし、薬剤耐性菌を生むリスクも

「風邪気味だな。念のため、抗生物質をもらっておこうか」-。病院でこのように抗生物質の処方を希望した経験はないだろうか。

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風邪は、鼻やのどなどの粘膜にウイルスが感染して起こる感染症だ。細菌に対して働く抗菌薬(抗生物質を含む)は、ウイルス性の風邪やインフルエンザには効果がない。ところが、国立国際医療研究センターが今年2月に行った患者調査によると、「抗生物質(抗菌薬)は風邪をひいたときに効果がある」と思っている人が43.8%にも及んだ。

風邪やインフルエンザに抗菌薬を処方する影響は様々だ。まず、医療費が発生する。体への影響としては、胃のむかつきや下痢などの副作用を招く可能性がある。さらに、世界的に増えている「薬剤耐性(AMR)菌」を生むリスクも高まる。

抗菌薬を使うと、腸内に数多く存在する細菌のうち抗菌薬が効く菌だけが死に、効かない菌だけが残る。これが薬剤耐性菌だ。薬剤耐性菌には抗菌薬がほとんど効かないため、その後の病気で治療が長引いたり、場合によっては死に至るケースもあり、薬剤耐性は医療・健康分野の世界的な課題となっている。

政府はこれを受け、薬剤耐性対策アクションプランを作成。厚生労働省が医師向けの「抗微生物薬適正使用の手引き」を作ったり、今年から診療報酬の抗菌薬適正使用支援加算を新設したりするなどの取り組みを進めてきた。

とはいえ、臨床現場の対応はまだ道半ばだ。今年2月、日本化学療法学会日本感染症学会の合同調査委員会が全国の診療所医師を対象に行った調査で「説明しても納得しなければ処方する(50.4%)」と「希望通り処方する(12.7%)」を合わせ、実に6割以上の医師が「風邪に抗菌薬を処方する」と回答した。調査を企画・担当した国立国際医療研究センターの具芳明医師は「医師への啓発のみならず、一般の人に、風邪に抗菌薬が効かないことをしっかり理解してもらう必要がある」と指摘する。

過剰医療を見直す動きも

「風邪に抗菌薬」は氷山の一角。実は心血管疾患の発症を減らすというエビデンスがほとんどない「75歳以上へのコレステロール低下薬」、高血圧や心筋梗塞のリスクも伴う「心疾患・腎疾患がある人への鎮痛薬」など、医学的価値が低い「過剰医療」はまだまだある。

良識ある医師らがこれらを問題提起する動きもある。米国で2012年に始まったChoosing Wisely(賢明な選択)キャンペーンだ。医師らの働きかけで専門学会が、医学的根拠(EBM)に立脚した推奨がないのに医療現場で実施されている無駄な薬や治療を5つずつリストアップ。それらを一般市民に公表、啓発していこうという活動だ。今年9月末時点で、全米の80学会が約550以上もの過剰医療リストを作成。ウェブ上で無料公開している。

この運動は現在、欧州やオーストラリア、韓国に広がり、日本でも16年、チュージングワイズリージャパンが発足している。

「これまでに、総合診療指導医の団体が過剰な検査に関する5つのリストを、日本感染症教育研究会、国立国際医療研究センター病院が主に抗菌薬の適正処方に関する5つのリストなどを作成。医学生による学生委員会では、全国の医学生へのキャンペーン参加呼びかけや、米国版リストができることを期待している」(代表の小泉俊三医師)

その薬、治療は本当にあなたや家族に必要だろうか?医療の価値を見極める目を育て、賢い選択を心がけたい。

(日経ビジネスより抜粋)

赤いポツポツ 帯状疱疹

免疫力低下で突然発症 体の片側に痛みや発疹

ある日突然、顔や体の片側に痛みが起きた後、赤い発疹が現れる「帯状疱疹」。80歳までに3人に1人がかかるといわれる。重症化すれば痛みが長く続くことも。発症の兆しを察知して、早期に対処しよう。

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帯状疱疹の原因は、水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」。国立感染症研究所の調べでは、日本の成人の9割以上が同ウイルスに感染している。過去に水ぼうそうにかかったことのある人を含め、ほとんどの人が帯状疱疹を発症する可能性がある。

水ぼうそうが治った後も、ウイルスは感覚神経の根元にある神経節に一生にわたり潜伏。日ごろはリンパ球がウイルスを記録し、活性化しないように監視しているが、リンパ球が減ってきたころを狙って、突然暴れ出す。

再発のきっかけとなるのが免疫力の低下だ。加齢や疲労・ストレスの蓄積、糖尿病やがんといった病気などが誘因になりやすい。

まりこの皮フ科の本田まりこ院長は「帯状疱疹は夏に多くなる傾向がある」と話す。気温が25度を超えると水ぼうそうのウイルスの感染力が低下するため、夏はウイルスに触れる機会が減る。ウイルスを監視するリンパ球の働きが弱まることで、帯状疱疹を発症しやすくなると考えられる。「猛暑の疲れや夏バテも要因の一つになる」。

再活性化したウイルスは増殖しながら、神経に沿って皮膚の表面に移動していく。このとき神経や周辺の組織を傷つけるため、ピリピリ・チクチクとした痛みが出る。数日後には虫刺されのような赤い発疹がポツポツとできて帯状に広がり、水ぶくれになる。痛みや発疹は体の左右どちらか片側に現れるのが特徴。顔や頭、胸やおなか、背中、腰、股間などに発症しやすい。

3日以内に皮膚科へ

発疹が出てから3日以内に抗ウイルス薬を投与すれば、重症化を防げる可能性が高まる。治療が遅れると、痛みや皮膚症状が悪化したり、長引いたりしやすい。

通常は約3週間で皮膚症状が治まり、痛みも消える。ただし50代以上では1ヵ月以上かかることが多い。高齢者や持病で免疫力が落ちている人、痛みや皮膚症状が強かった人は、3ヶ月たっても痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」になりやすい。

帯状疱疹後神経痛になると、10年以上激痛に苦しむ例もあるという。東京逓信病院で皮膚科部長を務める江藤隆史副院長は、「帯状疱疹は多忙で休めないときに発症しやすく、受診を先延ばしにする人も少なくない。後遺症を残さないためにも、早期に診断と治療、休養の確保が重要」と強調する。

水痘ワクチンの摂取も帯状疱疹の予防に有効だ。加齢で低下した水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を再び強化して、帯状疱疹の発症や重症化を防ぐ効果がある。

水痘ワクチンは1~2歳児を対象に2014年から定期接種が開始。16年には50歳以上の成人が、帯状疱疹の予防を目的に接種することが可能になった。成人は費用(1万円)が自己負担になるが「水痘ワクチンの接種で帯状疱疹の発症率は半減し、帯状疱疹後神経痛の発症軽減も期待できる」(江藤副院長)。

本田院長は「子どもの水痘ワクチン接種の定期化以降、成人の帯状疱疹が増えている」と指摘する。ウイルスと出会うことで免疫機能が高まる「追加免疫効果」が得られにくくなったからだ。「高齢者や多忙な人は特に、元気なうちにワクチンを接種しておきたい」と勧める。

(日経新聞より抜粋)

めまいの原因を知ろう

~耳に異常 ストレスも一因~

突然起こるめまい。ふらつく感覚が不快なうえ、耳鳴りなど他の症状を伴うこともある。深刻な病気の前触れではないかと不安に思う人も多いだろう。症状や原因を知って、うまく対処する方法を見付けよう。

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めまいとは、本当は動いていないのに、自分の周囲が動いているように感じる状態の総称だ。人の体は耳と目、関節、筋肉で感じ取った周囲の情報を、小脳が調整することでバランスを保っている。関係する器官のうち1つでも問題が起こると、バランスが乱れてめまいが起こる。

症状によって、主に3つのタイプがある。自分や周囲がぐるぐる回っていると感じる「回転性めまい」、体がふわふわするか、フラフラする「浮動性めまい」、急に立ち上がったときにクラッとする「立ちくらみ」だ。

最も症状を訴える人が多いのが、回転性めまい。主な原因は耳の病気で、代表例は内耳の異常が引き起こす「良性発作性頭位めまい症」。上や下を向いたり、寝返りを打ったりして頭を特定の方向に動かすと、数秒~数十秒、激しい回転性のめまいが襲うもので、過度の心配は要らない。

内耳には体のバランス感覚をつかさどる耳石器と三半規管がある。耳石器には炭酸カルシウムの細かい結晶「耳石」がたくさん付着しているが、これがはがれたものが三半規管内に移動し、ある程度の塊になって内リンパ液の流れを乱すとめまいが起こる。

東海大学医学部付属病院長で耳鼻咽喉科教授の飯田政弘氏は「骨密度が低くなる更年期以降の女性に多く見られる。耳石がはがれやすくなるためと考えられている。多くは1ヵ月程度で自然に治るが再発しやすい。耳石が1ヵ所にとどまらないよう、普段の生活で頭をよく動かすと予防につながる」と助言する。

だが同じ回転性のめまいでも、激しいめまいが長期にわたり繰り返し起こるなら「メニエール病」を疑う。1回あたりの持続時間は10分~半日、頻度は週に数回~年に数回と個人差が大きい。難聴や耳鳴り、吐き気や嘔吐を伴うことがある。

メニエール病は、内耳で内リンパ液が増えて水ぶくれ状態になり、三半規管や蝸牛を圧迫することで症状が出る。水ぶくれの原因はよく分かっていないが、体の水分を調整するホルモンがストレスで変調するためとも言われている。ストレスを減らすことが第一だ。

これに対して2つめの、不動性めまいは過労や睡眠不足、ストレスによる心身の不調時に現れやすい。さらに、3つめの、立ちくらみの原因は自律神経が乱れ、脳が一時的に血流不足になることだとされる。こちらもストレスをためないようにしたい。

脳の病気に要注意

ただし、めまいにも命に関わる病気が隠れていることがある。要注意なのは、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍が原因のケースだ。症状としては出てくるめまいのタイプは、回転性だけでなく浮動性の場合もあり、一概には言えないが、飯田氏は「ろれつが回らない、手足がしびれる、激しい頭痛といった症状を伴うなら、脳の病気を疑って」と話す。

(日経新聞より抜粋)

新尾道薬局