因島市薬剤師センター薬局
接種証明で制限緩和の仕組み、分科会提言
~ワクチンパスポートは必須になるか~
日本のワクチン接種率は、9月末時点で、アメリカを抜き、ヨーロッパに追いつくところまで進む。高齢者の9割以上は打っているので、死亡率は、第4波までは感染者の1.8%位だったが、第5波の時には、0.2%とインフルエンザウイルスの死亡率の0.1%近くまでぐんと下がってきた。
したがって、“ワクチンを2回打った人はまずかかりにくい、かかっても重症化もなりにくい”となると、今まで全部抑制して人流を止めろとなっていたが、全ての経済活動・全ての人の流れを抑える段階では無くなってきている。世界も変わってきていて、海外でやっている話は、日本でも導入するという流れになってくる。
ワクチン接種を証明するいわゆるワクチンパスポート。感染抑制・経済活動正常化に向けてどこまで浸透するか。
Q:ワクチンパスポートとは
A:新型コロナウイルスなどのワクチン接種証明書のこと。日本では海外渡航用に接種証明書があり、7月26日から各市町村(特別区を含む)が交付申請を受けている。現在(9月の段階)は書面で交付しファイザーやモデルナのワクチンでは2回の接種を終えていることが条件になる。今後は、デジタル化でスマホでもOKという形になる。
Q:どうすれば入手できる
A:職域接種などの場合でも、接種に利用した接種券を交付した各市町村に申請することになる。申請に必要な書類は基本的に①自治体が用意する申請書②有効なパスポート③接種券のうち「予診のみ」部分④接種済証または接種記録書-の4点。
Q:海外に行くために必要なのか
A:日本のワクチンパスポートがあると入国時の新型コロナの検査や隔離に関する優遇処置を受けられる場合がある。9月1日時点ではドイツ、フランス、トルコ、香港など約30の国と地域で、防疫措置の免除や緩和を受けられる。
Q:日本に入国する際も必要なのか
A:8月下旬時点で日本に入国する際には使えない。接種証明書の有無や国籍にかかわらず、出国から72時間前までのPCR検査や抗原定量検査結果の提出、検疫所が確保する宿泊施設での待機などをしなければならない。
Q:海外でワクチンパスポートはどのように使われているのか
A:フランスではワクチン接種証明証や陰性証明証などを「衛生パス」と認め、レストランや映画館などに入る際、成人の一般客は提示しなくてはならない。米国ではニューヨーク州のワクチンパスポートなどの提示を、レストランや映画館、博物館などで基本的に義務付けるようになった。
Q:日本でも飲食店、劇場などで提示が求められるようになるのか
A:ホテルや飲食店、ツアー会社などで、接種記録書などを活用する動きがすでに出てきている。例えば、飲食店ではドリンク1杯を無料にしたり、ホテルでは宿泊料を15%引きにしたりといったサービスが見られる。
新型コロナワクチン感染症対策分科会は9月3日、ワクチン接種歴やPCR検査などの結果を基に他者に二次感染させるリスクが低いと示すことで行動制限を緩める仕組みを11月ごろから始める一案を示した。分科会の尾身茂会長は「一人ひとりがどのような日常生活を望むのか、考えていく時期を迎えている」と話した。
Q:差別につながるとの意見もある
A:2021年2月、日本弁護士連合会は、政府によるワクチン接種の推進が差別につながる可能性を懸念する報告書を出した。ワクチンパスポートの保有者が優遇されるようになると、非接種者が生活しづらい環境になるという懸念があるためだ。
今後、新しい変異株が出て、もう1回波が来て感染者が上がる可能性はあるが、それでもデルタ株で分かったと思うが、ワクチン接種をしっかり行えば感染者は増えても死者数は増えないので、現在のwithコロナで対応できる。
(2021.9.13 日経ビジネスP20、第264回高橋洋一チャンネル「ワクチン接種証明を活用すべき!分科会もようやく言い始めた 引用)